給与計算アウトソーシング/代行は欧米を中心に普及してきたサービスで、国内でもバブル崩壊後の1990年代ごろから、業務効率化への意識の高まりとともに導入する企業がじわじわと増えてきました。
ただ国内では、人事関連の情報を社外へ出すのに抵抗がある、などの理由から二の足を踏む企業もまだまだ多いのが現状で、欧米のようにほとんどの企業が給与計算アウトソーシング/代行で業務の効率化に成功している現状とは、ずいぶん開きがでています。
「業務の効率化は図りたいが、当社の場合アウトソーシング/代行のメリットはあるのか、リスクはないのか」とお悩みの企業様のために、給与計算アウトソーシング/代行の「メリット」、「デメリット」、「サービスの費用感」、「アウトソーシング/代行を利用すべき企業とは」について検証してみたいと思います。
そもそも、なぜ給与計算業務アウトソーシング/代行がなぜ必要とされているのでしょうか?それは給与計算業務の特殊性にあるといえます。
給与計算の業務は、労働法や税法といった法令関係の知識をはじめ、自社の就業規則などについて把握しておく必要がありますし、そのうえ毎年変わる社保などの法令変更にも対応しなければなりません。
このように専門知識が必要とされることから、対応できる担当者はおのずと限られ、人員の確保が難しいという課題が発生します。また万が一ミスや未払いなどが起これば信用に関わるために失敗が許されない反面、業務が給与の締め日から支払い日に集中し、膨大な作業を限られた日数と人数でこなさなければなりません。
担当者を増やせば人件費がかさみ、逆に人数が不足すれば本来の仕事に集中できなくなるなど、給与計算業務はその特殊性から、どの企業でも悩みを抱えがちなのです。
まずは実際に給与計算をアウトソーシング/代行した場合、どんな業務が委託できるのかを見てみましょう。
一般的な給与計算アウトソーシングでは、勤怠データの集計をもとに月々の給与計算をし、残業代や社会保険料、所得税などの計算を行います。給与明細の発行は、紙の場合、印刷・発送も代行します。賞与時は賞与計算、年末には年末調整業務の代行も行うことが可能で、給与計算前後の業務を一括して委託するとメリットが大きいでしょう。
社会保険の算定基礎届の提出、税金の計算や申告などは社会保険労務士や税理士の専任業務も含まれることから社会保険労務士事務所や税理士事務所と提携しサービス提供を行っているところが多いようです。
給与計算アウトソーシング/代行を利用する一番のメリットは、やはりコストの削減です。その他にも属人化の防止によるリスク軽減や、担当者が本来の業務に専念できるなど、様々なメリットが考えられます。
ここではアウトソーシング/代行による主なメリットを具体的に4つご紹介しましょう。
給与計算には勤怠チェックや集計、データ入力など作業量がとても多く膨大な時間がかかるため、高い人的コストが割かれます。また専用システムを利用している場合には、システム開発費や利用料、法令改正のたびにかかる更新料といった費用が必要になってきます。
これらの費用がアウトソーシング/代行の導入によってカットでき、より効率的な経営が実現するのです。
給与計算作業は、その特殊性から担当者しか全体を把握できていないという属人化が起こりがちです。作業の集中期に担当者が休んでしまうと作業がストップしてしまう、担当者の退職・休職に伴う引継ぎが大変、など担当者と企業の双方に負担とリスクをもたらします。アウトソーシング/代行すればこうした問題が解決でき、担当者も自由に休めるようになります。
毎年のように変わる税制について把握しておくことも担当者にとっては相当な負担となっているうえ、情報の更新漏れなどがあると大きなミスにつながります。
アウトソーシング/代行を請け負う企業は高い専門知識を持った担当者が常に最新の情報を把握していますので安心です。また専門企業による作業ですので、計算の正確さは言うまでもありません。
給与計算業務は専門的な知識が必要とされる一方で、内容自体は集計や入力といった定型業務の繰り返しが多い業務です。定型業務の部分は、一定のルールさえ理解できれば専任者以外でも代行できる部分です。つまり定型業務はアウトソーシング/代行で外部委託が可能になるということです。
企業の将来性を考えるならば、その時間を採用や人事などのコア業務に専念することで将来的なメリットにつながることでしょう。
では一方で、アウトソーシング/代行する際のデメリットについて考えてみましょう。
まずは給与計算業務のノウハウが社内に残らないこと。あとはデータ流失への危惧や会社規模によってはコストメリットが出ない、など状況が予測されますが、特に大きなデメリットはなさそうです。
業務を外部へ委託するので、社内にはそのノウハウは残りません。社員から給与や社会保険のことなどで問い合わせがあった際、迅速な対応が困難になります。
給与に関する情報は重大な個人情報であり、データ漏えいを危惧してアウトソーシング/代行に躊躇している企業も多いようです。しかし、自社内で給与計算をする場合、繁忙期にパートや派遣社員を臨時雇用するケースもありすが、最近は非正規雇用社員のミスや故意によるデータ流出事例も多い事から、自社で完結すれば安心だというわけではありません。むしろアウトソーシング/代行先の企業選びさえしっかりしておけば、委託するほうがリスクを抑えられる、ということも大いに考えられます。
企業の規模によって、コストメリットが出にくい場合もあります。
例えば従業員が10人以下の企業ですと、担当者が一人で業務にあたっても、極端に残業が増えたり、他の業務が圧迫されたりといった大きな負担は出ないでしょう。
では、どれぐらいの規模の会社ならコストメリットが出るのかなど、次の章で検証してみましょう。
一例として、当社が提供している給与計算アウトソーシング/代行サービスの費用について見てみましょう。社員50名様の給与計算にかかる費用は月額43,400円程度(給与明細発行込み)で、年間にすると約52万円です。
では、その給与計算業務を正社員1人が5日間をかけて行う場合の費用は、担当者の時給を2,000円として計算すると月額80,000円、年間約96万円です。つまりアウトソーシング/代行により、約45%のコストカットができることになります。
これまでご紹介してきたアウトソーシング/代行に関するメリットやデメリット、費用感からみて、下記のような企業がアウトソーシング/代行によってメリットを得られる企業に当てはまると考えます。
給与計算は個人情報を扱うことから、アウトソーシング/代行に不安を感じる企業も少なくありません。
しかし、委託企業の体制がしっかりしていればむしろアウトソーシング/代行するほうが安全なケースもありますし、膨大な作業で人事や経理担当者が疲弊してしまうよりも本来の業務に戦略的な姿勢で取り組んでもらえる余裕を生み出します。従業員規模などを考え、コストメリットが出るようであれば、アウトソーシング/代行を検討されることをおすすめします。
弊社の給与計算担当者にもし自分が給与計算をアウトソーシング/代行する場合、どんなポイントをみて委託企業を選ぶかを聞いてみました。
現在自社で給与計算業務を行っている場合はそのコストを算出し、アウトソーシング/代行した場合と比較してコストメリットがどれだけ出るかを把握することが大切です。
こちらの要望や変更事項など、一度伝えたことがきちんと計算業務に反映される。担当者がころころ変わらず、何度も同じ説明をする必要がないなど、対応力の高い企業だと無駄な労力を使わずに済みます。
セキュリティーの高さや業務の正確さは当然ながら、問題が起こった際に親身に相談に乗ってくれる、課題解決に向けて一緒に取り組んでくれる、またこちらの疑問に丁寧に答えてくれるなど、いい信頼関係を築きながら付き合える企業が安心です。
当社の給与計算アウトソーシング/代行「給与プロ」は、価格も手ごろなうえ、親身な対応でお客様から高いご満足を得ています。
またそのほか、経理業務のアウトソーシング/代行や給与明細のweb化、勤怠管理システム、電話の受付代行の提供など幅広いサービスをご用意していますので、企業様のお悩みに対し、きっとお力になれると思います。どうぞご検討くださいませ。
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