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【2020年の年末調整】改正で控除が変わった、作業はここに注意

2020年分年末調整、制度が見直されます。

2020年分年末調整、制度が見直されます

企業などで年末調整の作業を担当している方は、2020年は特に注意してください。
税制改正があり、2019年とは異なる方法で作業しなければなりません。
この記事では、変更のポイントを詳しく解説したうえで、年末調整の業務量を大幅に減らすことができる給与計算代行「給与プロ」のサービスを紹介します。

2020年の「税制改正」の内容(年末調整分のみ)

2020年1月から適用になった税制改正のうち、年末調整に関わるものは次のとおりです。

  • 給与所得控除額が引き下げられた
  • 基礎控除額は引き上げと引き下げがあった
  • 所得金額調整控除が新設された
  • 各種の控除を受けるための扶養親族などの合計所得金額要件が見直された
  • 未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除が見直された

1つずつみていきましょう。

給与所得控除額が引き下げられた(増税)

給与所得控除額が「10万円」引き下げられました。
給与所得控除とは、給料の額などから一定額を差し引いて税額を計算する、減税効果を生み出す仕組みです。
控除は減税効果を生むので、その控除の額が引き下げられると増税になります。

給与所得控除額は給与等の収入金額の額によって変わってきます。2020年では以下のようになります。
< >内は給与等の収入金額で、( )内は2019年の数字です。

<収入180万円以下の人の控除額>収入金額×40%-10万円
(2019年は収入金額×40%)

<収入180万円超~360万円以下の人の控除額>収入金額×30%+8万円
(2019年は収入金額×30%+18万円)

<収入360万円超~660万円以下の人の控除額>収入金額×20%+44万円
(2019年は収入金額×20%+54万円)

<収入660万円超~850万円以下の人の控除額>収入金額×10%+110万円
(2019年は収入金額×10%+120万円)

<収入850万円超~の人の控除額>195万円(上限)
(2019年は 850万円超~1,000万円以下:収入金額×10%+120万円)
1,000万円超:220万円(上限)

収入金額が850万円を超えると、給与所得控除額は一律上限の195万円になります。
2019年までは、上限設定は収入金額1,000万円超、上限220万円でしたので、給与所得控除の改正は高収入者にとって厳しい内容になりました。

基礎控除額は引き上げと引き下げ

基礎控除は、合計所得金額の額を算出してから一定金額を差し引く仕組みです。
今回の改正で所得が2,400万円以下の人は基礎控除の額が引き上げられ、つまり減税になり、2,400万円超の人は基礎控除の額が引き下げられ、つまり増税になります。

基礎控除の額は合計所得金額によって異なり、次のようになります。
< >内は給与等の収入金額で、( )内は2019年の数字です。

<収入2,400万円以下の人の控除額>48万円
(2019年は38万円)

<収入2,400万円超~2,450万円以下の人の控除額>32万円
(2019年は38万円)

<収入2,450万円超~2,500万円以下の人の控除額>16万円
(2019年は38万円)

<収入2,500万円超~の人の控除額>0円
(2019年は38万円)

2019年の基礎控除の額は一律38万円でしたが、2020年は0円、16万円、32万円、48万円と額の種類が増えました。

年収2,400万円超の人はそれほど多くないので「基礎控除が38万円から48万円になった」と覚えておけばよいかもしれません。ただし、高額所得者が多い会社の年末調整の担当者は、注意が必要です。

所得金額調整控除の新設

所得金額調整控除という新しい仕組みが2020年に導入されました。控除が受けられる条件は次のとおりです。

●給与等の収入金額が850万円超の人で、次のA、B、Cのいずれかに当てはまる人

A:特別障害者に該当する人
B:23歳未満の扶養親族がいる人
C:同一生計の配偶者または扶養親族が特別障害者である場合

所得金額調整控除の額は次の数式で算出します。

●所得金額調整控除の額=(給与等の収入金額-850万円)×10%

給与等の収入金額の上限は1,000万円になっています。
そのため自動的に、所得金額調整控除の額の上限は15万円(={1,000万円-850万円}×10%)になります。

各種の控除を受けるための扶養親族などの合計所得金額要件の見直し

家族関連の控除も見直されました。

<扶養控除>

扶養控除は、子供、親、親族を養っている納税者の税金を減らす仕組みです。
扶養控除の額は次のとおりです。

  • 一般の控除対象扶養親族(16歳以上)がいる場合の控除額:38万円
  • 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)がいる場合の控除額:63万円
  • 老人扶養親族(同居老親など以外の人)がいる場合の控除額:48万円
  • 老人扶養親族(同居老親など)がいる場合の控除額:58万円

これらの額が、所得の額から差し引かれて税額が計算されますので、額が多いほど減税効果が高まります。
控除の対象になる扶養親族と認定されるには、
1)配偶者以外の親族であること、2)納税者と生計を一にしていること、3)年間の合計所得金額が48万円以下などの条件があります。

※3)年間の合計所得金額は、2019年の38万円から、2020年は48万円になっています。

<配偶者控除>

納税者に、控除対象の配偶者がいると、配偶者控除を受けることができます。
控除額は、納税者の合計所得金額によって異なります。また配偶者が「一般の控除対象配偶者」か「老人控除対象配偶者」かでも額が異なります。

  • 納税者の合計所得金額が900万円以下の場合の控除額
    一般の控除対象配偶者:38万円、老人控除対象配偶者:48万円
  • 納税者の合計所得金額が900万円超~950万円以下の場合の控除額
    一般の控除対象配偶者:26万円、老人控除対象配偶者:32万円
  • 納税者の合計所得金額が950万円超~1,000万円以下の場合の控除額
    一般の控除対象配偶者:13万円、老人控除対象配偶者:16万円

これらの額が、所得の額から差し引かれて税額が計算されますので、額が多いほど減税効果が高まります。

控除の対象になる扶養親族と認定されるには、1)配偶者であること、2)納税者と生計を一にしていること、3)年間の合計所得金額が48万円以下、などの条件があります。

3)年間の合計所得金額は、2019年の38万円から、2020年は48万円になっています。

<配偶者特別控除>

配偶者に関する控除は、「配偶者控除」の他に「配偶者特別控除」という仕組みがあります。
これは、配偶者控除の対象外となった場合でも「特別に」控除を受けられるようにするものです。
配偶者特別控除の額は、納税者の合計所得金額や配偶者の合計所得金額によって異なり、1万円~38万円と幅があります。

配偶者特別控除が受けられる条件は次のとおりです。
1)納税者の合計所得金額が1,000万円以下、2)配偶者であること、3)配偶者が納税者と生計を一にしていること、4)配偶者の年間の合計所得金額が48万円超~133万円以下であること、などの条件があります。

そして、4)配偶者の年間の合計所得金額は、2019年の38万円超~123万円以下から、2020年の48万円超~133万円になっています。

<勤労学生控除>

納税者自身が勤労学生である場合、勤労学生控除を受けることができます。
控除の額は27万円です。

勤労学生控除を受けるための条件は、1)給与所得などの勤労による所得がある、2)合計所得金額が75万円以下、3)特定の学校の学生または生徒である、などです。

2)の合計所得金額は、2019年は65万円以下でしたが、2020年は75万円以下になっています。

未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し

寡婦(寡夫)であることで受けられる寡婦(寡夫)控除が2020年から変わりました。
そして「未婚のひとり親に対する税制上の措置」が新設されました。

<未婚のひとり親に対する税制上の措置(ひとり親控除)>

未婚のひとり親に対する税制上の措置の内容は次のとおりです。
ひとり親は男性(寡夫)も女性(寡婦)も対象になります。

  • ひとり親(婚姻していない、または、配偶者の生死が明らかでない)であること
  • 生計を一にする子供がいる(子供の総所得金額は48万円以下
    ※子供の総所得金額は、2019年の38万円以下から2020年は48万円以下になりました。
  • 合計所得金額が500万円以下
  • 事実上の婚姻関係である人がいない

上記の条件に当てはまる未婚のひとり親は、35万円の控除(ひとり親控除)を受けることができます。

<寡婦控除>

寡婦控除は、ひとり親控除の対象に外れて、なおかつ一定の条件に該当する寡婦が受けることができます。

寡婦控除の額は、一般の寡婦が27万円で、特別の寡婦が35万円です。
一般の寡婦と特別の寡婦の違いは以下のとおりです。

一般の寡婦の条件は次のとおりです。

1)夫と死別しているか、離婚後に婚姻していないか、夫の生死が明らかでない、2)合計所得金額が500万円以下、3)事実上の婚姻関係の相手がいない

2020年から「2)合計所得金額が500万円以下」が加わりました。

特別の寡婦の条件は次のとおりです。
1)夫と死別しているか、離婚後に婚姻していないか、夫の生死が明らかでない、2)扶養親族である子供がいる、3)合計所得金額が500万円以下

<寡夫控除>

寡夫控除は事実上、ひとり親制度に含まれることになりました。

まずは給与プロへお気軽にご連絡ください

年末調整業務の書類が複雑化する可能性がある

年末調整業務の書類が複雑化する可能性がある

上記の変更に伴い、年末調整で使う用紙「扶養控除等(異動)申告書」の様式が変更されています。

これまでの様式より複雑になっているので、年末調整の担当者は、事前に国税庁の下記のURLから「令和2年版」を入手しておき、確認しておいたほうがよいでしょう。

年末調整電子化の取り組み

年末調整電子化の取り組み

国税庁は年末調整手続きの電子化に取り組んでいます。
年末調整では、担当者が紙の控除申告書を全従業員に配布して、それを回収して、パソコンに入力しなければなりません。
年末調整手続きを電子化すれば、従業員に必要事項をパソコン入力してもらい、それをメールなどで回収するだけで済みます。控除額を自動計算することもできるので、間違いも減ります。

企業が年末調整の手続きを電子化するメリット

企業などが年末調整手続きを電子化すると、次のようなメリットがあります。

  • 従業員からデータで控除申告書を受け取ることができるので、年末調整担当者の事務作業が減る
  • 従業員もデータ入力するだけなので、手間が省ける
  • 年末調整ソフトで控除額を自動計算するので、間違いが減る
  • 企業に給与システムがあれば、年末調整のデータを反映させることができる
  • データ保管なので、用紙を保管するスペースを設けずに済む

デメリットは電子化するための作業

年末調整の手続きを電子化するには、次のような作業が必要になります。

  • 国税庁が無償提供している、年末調整ソフト(年末調整控除申告書作成用ソフトウェア)をダウンロードする
  • 総務省のマイナポータル(サイト)に接続させる
  • 従業員にマイナンバーカードを取得してもらう
  • 給与システムを改修する
  • 税務署に届け出る
  • 従業員に電子化年末調整を説明する

かなり大掛かりな作業が必要になります。また、従業員にマイナンバーカードを取得してもらうのにも手間がかかるでしょう。ただ一度電子化してしまえば、翌年から「楽」になるので、試す価値は十分あるでしょう。

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給与プロ/年末調整サービスの紹介

2020年の年末調整の作業は、担当者様にとって「大変なもの」になるでしょう。
そこで、株式会社シスプロ(本社・大阪市北区)が提供する「給与プロ/年末調整サービス」の活用を検討してはいかがでしょうか。

給与プロ」では次のようなサービスを提供しています。担当者様の「大変さ」が激減するだけでなく、「正確さ」が高まるので、事務作業の生産性向上を図ることができるでしょう。

申告書および添付証明書のチェック

給与プロ」では、従業員の方から「給与所得者の扶養控除等異動申告書」などの申告書類や、添付する生命保険などの納付証明書を収集し、内容が問題ないかチェックします。

不備・未回収申告書のリストアップ

年末調整の担当者様は例年、従業員の方から提出される申告書の不備に悩まされていると思います。添付書類の提出漏れも少なくないでしょう。
給与プロ」では、不備をリストアップしていきます。
また、申告書を提出していない従業員の方がいましたら、そちらもリストにして担当者様に報告します。

年末調整控除データの作成

給与プロ」では、申告書や添付書類をもとに、個人ごとの所得税控除データを作成します。

年税額の計算および12月最終給与への過不足税額転記

給与プロ」なら、毎月の給与計算ですでに徴収された所得税額と、再計算した年税額を比較して、12月分の給与計算に所得税の過不足額を反映させることができます。

源泉徴収票の発行

給与プロ」なら、従業員の方向けの総支給額や所得税額を表した源泉徴収票を印刷し、担当者様に提出します。

法定調書合計表の作成

全従業員の給与支給額や徴収税額を合計した「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」印刷し、担当者様に提出します。

給与支払報告書の作成・市区町村役所への発送

給与プロ」では、給与支払報告書の作成も、市区町村役所への発送も行ないます。

■給与プロ:年末調整・アウトソーシング/代行サービス
https://www.kyuyo-pro.com/service/nencho.html

まとめ~2020年も間違いのない年末調整にするために

控除は減税と増税に関わることなので、年末調整の担当者様だけでなく、従業員の方も重大な関心を払っているはずです。2020年の税制改正では、控除の額が引き上げられたり引き下げられたりしただけでなく、新しいルールも導入されています。

間違いないようにするために、ぜひ「給与プロ」の導入をご検討ください。

まずは給与プロへお気軽にご連絡ください

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