行政事務の電子化の流れにより、年末調整の電子申告も制度化されました。
パンデミックの影響により、電子化が普及しつつあるものの、まだ様子見の企業も多いはず。
今回は年末調整の電子申告のメリット・デメリット、また申請方法を詳しく説明します。
諸事情により電子化に踏み切れない企業のため、代替手段となる年末調整のアウトソーシングもあわせて紹介します。
年末調整手続きを電子化することにより、従業員と企業双方にメリットがあります。
国税庁提供の「年調ソフト」を利用すると、従業員の負担がかなり削減されます。
従業員が直接申告書用紙に記入する方法では、ある程度の知識が必要です。
しかし、年調ソフトなら問いに答えるだけで提出書類を選択でき、証明書類の迅速な取り込み、項目の自動記入によって申告書作成が手軽になります。
またマイナンバーカードの取得が必要ですが、「マイナポータル」を利用すると複数の証明書を一括取得できるので、作成をさらに簡略化できます。
従業員から申告書を電子受取でき、入力作業が不要に
従業員の証明書取り込みにより控除額が確定、検算作業が不要に
証明書の一括受領で従業員の提出確認作業が軽減
企業側のメリットは自動化の恩恵を受けられるだけでなく、申告書収集の管理負担を軽減できる点にあります。
特に控除額の自動算定機能は、年末調整事務の作業負担を大きく削減できます。
とはいえ、年末調整事務の電子化にもデメリットがあります。
企業の事務負担軽減の見込みが高くても、従業員が電子手続きできる環境の整備や、自力で手続きを完了できるまでのフォロー体制の構築・運用がネックといえます。
また、マイナポータルは従業員の証明書提出漏れがなくなり効率的ですが、マイナンバーカードの取得が条件なのがネックです。
マイナポータルを利用しない場合、証明書の提出漏れ管理の業務は残ります。
ここで、年末調整の電子申告には具体的にどんな準備が必要になり、手続きの流れはどのようになるのか確認します。
年末調整の電子申告の大まかな流れは以下のとおりです。
事業者としての電子申告の準備
提出書類用の電子データの収集・作成
行政の電子申告システムからオンライン提出
まずは年末調整の電子申告ができる環境を整えなくてはなりません。具体的には以下の4つを準備する必要があります。
電子申告のため、国税(e-Tax)と地方税(eLTAX)の2つのシステムの利用IDを作成します。
また、送信するデータが改ざんされていないことを証明する「電子証明書」が必要です。なお、電子証明書は法人の代表者のマイナンバーカードでも代用できます。
カードリーダーはWebシステム上、マイナンバーカードと各システムの利用IDの紐づけに使います。
事業者による年末調整手続きで提出が必要な書類は以下です。
提出書類用の電子データの収集・作成の工程は、電子化制度の前と同様です。
上記の申告書類に必要な情報を収集して必要なデータを揃えます。
申告に必要なデータ類を作成したら、行政の電子申告システムに入力してオンライン提出します。
このときまでにマイナンバーカードやカードリーダーを用意しておきます。
年末調整の実務担当者であれば、申告作業に特段の問題は生じないでしょう。
操作で不明な点があれば、ヘルプデスクに問い合わせることもできます。
年末の忙しい時期に発生する人事総務部門の一大イベントである年末調整業務の負担から解放し、源泉徴収票作成に関連するアウトソーシング/代行を行うサービスです。
電子化でいくぶん効率化できても、年末調整の作業がなくなることはありません。
なぜなら、書類から電子提出に置き換わっただけで、従業員の申告の取りまとめや、税務署に申告書を提出する義務は変わらずあるからです。
さらに電子化対応のため、従業員にネット接続を強いたり、個別に操作方法のフォローが必要になるのはやや面倒です。
ただ、国は年末調整について自社完結することを求めてはいません。
年末調整事務をあえて外部委託し、無用な混乱や作業負荷を回避するのも妥当な判断といえます。
では、年末調整のアウトソーシングはどのように選ぶとよいのでしょうか。
弊社シスプロは、「人材サービス+アウトソーシング+業務アプリ開発」の実績があります。
アウトソーシング事業者のなかには、業務と電子化の連携ノウハウに乏しかったり、委託範囲が固定されている事業者もいます。
その点、弊社の「給与プロ/年末調整サービス」は電子化対応と高いセキュリティ、必要な業務だけ選択して利用することもできます。
年末調整の電子化を予定している、もしくはまだ検討中であっても、アウトソーシングを活用したコストダウンと効率化を具体化してみてはいかがでしょうか。
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